第6回:歌志内の静かなカア吉

歌志内市は空知地方北部に位置する旧産炭地。最盛期には山の斜面に住宅が張り付き5万近い人たちが暮らしていた。今は4千人に満たない日本一小さな市である。住宅を撤去した斜面をスキー場とし国際大会も開催する。宿泊施設は2つだけ、観光による地域振興に及ばない。

雪国らしく市街地の街区は整備され街路が広い。初秋の風は街中を涼やかに通り抜ける。まちなかに店舗は少ない。以前スーパーだった敷地は後継店舗の出店はなく消防署になった。訪れたのは日曜日のお昼どき、郷土館だけが開業していた。

商店街もショッピングセンターも多くの店舗からなる商業集積である。商業集積は商圏、周辺の人口数と消費特性で決まる。本来商売はお客のいるところまで出向くことから始まる。人々の往来が激しくなったり、多くの人々が住みついたりすると メ商圏モを確保できるためそこに店を構える。商圏の規模拡大に応じ店が増える自然発生型の商業集積が商店街である。

店を構えることとは先行投資をすることである。投資分を回収し利益を上げることを目指す。商圏の維持拡大が見込めないならば撤退する場合もある。商圏の縮小は商店街の縮小となることは必定である。商圏規模に見合った構成を考え、事業収支計画に基づき商店街を再構築する、ビジネスとしての側面をしっかりとらえることが大切である。

飲食店は空いていなかった。店先で植木に水をやる店主に無理をいい食事をとる。歌志内名物のなんこ鍋、馬の内臓の鍋である。秋田から来た炭鉱夫が持ち込んだ料理とか、確かに馬力がつく。店主から話しかけられながら食べたので残せなかった。3日間私の体はなんこ鍋に支配された。

歌志内は急峻な谷地の中に立地する。小さな川しかなく大きな工場団地は作れない。農産物にも特徴がない。歌志内の一番のよさは静かさだという人もいる。商店街で出会ったカア吉は確かに一声も鳴かない。
歌志内市街地
道路左が郷土館ゆめつむぎ
カア吉の佇まい
羽音も静か
なんこ鍋全景
多少勇気がいる
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